2LDKの部屋を退去する際、「思った以上に退去費用がかかった」「どこまでが相場なのかわからず不安」と感じている方も多いのではないでしょうか。
退去費用の相場や内訳が見えにくいことで、無駄な出費やトラブルが起こりやすいのが実情です。
本記事では、2LDKの退去費用相場や内訳について、実例や項目ごとにわかりやすく解説します。
損をしないために知っておきたいポイントや、費用を抑えるための具体策も詳しく取り上げるので、これから退去予定の方は必見です。
自分にとって適正な退去費用を知り、安心して新生活をスタートするための情報を手に入れましょう。
2LDKの退去費用相場と内訳

2LDK物件の退去費用は、単身者向けの部屋やワンルーム・1Kと比較して高めになる傾向があります。
部屋数が多い分、クリーニングや修繕の必要箇所も増え、その分費用も上がるのが特徴です。
ここでは2LDKの退去時にかかる平均的な費用や内訳、費用増減のポイントについてわかりやすく解説します。
2LDK物件の平均的な退去費用
2LDKの退去費用は全国的な相場ではおおよそ50,000円~100,000円程度が目安です。
地域や物件の築年数、入居時の敷金の金額によっても異なりますが、ファミリー層や二人暮らし向けの2LDKは部屋が広いため、ワンルームより高くなることが一般的です。
この金額にはハウスクリーニングや原状回復費用が含まれており、追加請求がある場合もあります。
間取り別(2LDK)の退去費用相場の目安
2LDKの退去費用を他の間取りと比較した表は以下の通りです。
間取り | 平均退去費用の目安 |
---|---|
ワンルーム・1K | 30,000円~60,000円 |
1LDK | 40,000円~80,000円 |
2LDK | 50,000円~100,000円 |
3LDK以上 | 70,000円~150,000円 |
2LDKは部屋の広さや使い方によって差が出ますが、平均的に上記の範囲に収まる場合が多いです。
ハウスクリーニング費用の割合
退去費用の中でも大きな割合を占めるのがハウスクリーニング費用です。
2LDKの場合、ハウスクリーニングの相場は25,000円~40,000円程度となっています。
これは全体の退去費用の50%前後を占めることが多く、特にキッチンや水回りの設備が多い物件では金額が高くなりがちです。
管理会社やクリーニング会社ごとに費用や範囲が異なる点にも注意が必要です。
原状回復費用の主な項目
原状回復費用には、ハウスクリーニング以外にもいくつかの項目があります。
- 壁や床の補修(クロスやフローリングの張り替え)
- エアコンや換気扇など設備の清掃や修理
- キッチン・浴室・トイレの水回りの修理
- ガラスのひび割れや破損の修繕
入居時の状態と比べて著しく損耗している場合、これらの費用が実費で請求されることがあります。
高額請求になりやすいケース
2LDKの退去時に高額請求となる主なケースには、以下のようなものがあります。
- ペット飼育による壁の傷や臭いの付着
- 故意や過失による床や建具の大きな損傷
- 壁紙に大きな汚れやカビが発生している場合
- 喫煙による臭いやヤニ汚れの付着
- 長期間クリーニングが行われていない設備の汚れ
このような事例では、原状回復費用が予想以上に高くなる場合があるため、日頃からの丁寧な使用が大切です。
実際の支払い事例(2LDKの場合)
実際に2LDKに住んでいた方の退去費用事例を紹介します。
ケース | 退去費用総額 | 主な内訳 |
---|---|---|
築10年・一般的な使用 | 68,000円 | クリーニング、壁紙の一部補修 |
ペットあり・壁に傷 | 120,000円 | クリーニング、壁紙全面張り替え、消臭対応 |
経年劣化のみ | 55,000円 | クリーニングのみ |
住み方やペットの有無、生活習慣などで費用が大きく異なる点がよくわかります。
費用が変動する主な要素
2LDKの退去費用が変動する主な要素にはいくつかあります。
- 物件の築年数や管理状況
- 入居期間の長さ
- ペットや喫煙の有無
- 使用状態(掃除の頻度や生活習慣)
- 地域や物件ごとの契約内容
これらの要素によって、退去費用が安く済む場合もあれば、高額請求になる場合もあるため、契約時や退去前に確認しておきたいポイントです。
2LDKの退去費用が高額になる原因

2LDKの退去費用が高くなってしまう背景には、さまざまな要因が関係しています。
広い間取りであるため、お部屋の管理や状態によっては修繕箇所が多くなりがちです。
特に複数の部屋やリビング部分があることで、損傷や汚れが広範囲に及ぶケースも少なくありません。
また、どれが通常の使用による経年劣化で、どれが故意や過失によるものかの判断も退去費用に大きく影響します。
故意・過失による損傷
入居者の不注意や故意による損傷は、退去費用が大きくなる代表的なケースです。
例えば、壁に大きな穴を開けてしまったり、床に重いものを落としたことでフローリングが凹んでしまった場合などが該当します。
これらの損傷の修繕費用は入居者側の負担となりますので、普段から丁寧な使い方を心がけることが大切です。
- 壁や扉の穴やへこみ
- フローリングの傷やシミ
- ガラスや設備の破損
ペットによる傷や汚れ
ペットを飼っていた場合、室内に傷や汚れが残ってしまうことがあります。
例えば、爪によるフローリングの傷や、壁紙の引っかき傷、また排泄の汚れや臭いなどが挙げられます。
ペット可物件でも、退去時にはこれらの修繕費用が通常より高額になることも少なくありません。
主な損傷例 | おおよその修繕費用 |
---|---|
フローリングのひっかき傷 | 5,000~30,000円/1箇所 |
壁紙の破れ・傷 | 1,000~1,500円/1㎡ |
臭い・においの除去 | 10,000円前後 |
タバコのヤニ・臭い
タバコを吸う場合、ヤニによる壁紙の変色や、部屋に染みついた臭いが原因で退去費用が増えることがあります。
ヤニ汚れは通常のクリーニングだけでは落ちにくく、壁紙や天井の張り替えが必要になることが多いです。
また、臭いが染みついている場合は脱臭作業も必要になるため、費用がかさむケースが多く見られます。
長期入居による経年劣化の認定
2LDKに長期間住んでいた場合、どこまでが経年劣化として認められるかが退去時の費用に大きく関わります。
本来、通常使用による小さな傷や色あせ、壁紙の若干の黄ばみなどは入居者負担にはなりません。
しかし、経年劣化と認められないほどの損傷や著しい汚れがある場合は、費用負担が必要となります。
気になる点は契約時や退去前にしっかり管理会社へ確認しておくのがおすすめです。
2LDKの退去費用を抑えるための具体策

2LDKの賃貸物件を退去する際、退去費用はできるだけ抑えたいと考える方が多いです。
ちょっとした工夫や事前の準備次第で、余計な出費を防ぐことが可能です。
ここでは、退去費用を無駄なく節約するための実践的なポイントをいくつか紹介します。
契約時の特約内容の確認
契約時に交わす賃貸借契約書の中には、「特約」と呼ばれる退去時の費用負担に関する独自のルールが記載されていることが多いです。
たとえば「ハウスクリーニング費用は必ず借主負担」や「エアコン清掃は別途請求」など柔軟性がない特約が付されている場合もあります。
退去時のトラブルを避けるためにも、以下の点を確認しましょう。
- ハウスクリーニングや設備清掃の費用負担者は誰か
- 経年劣化の場合の扱い(自然にできた汚れや傷は借主負担か)
- 壁紙や床の張替えの条件
契約時に不明点があれば、そのままにせず必ず管理会社や大家に質問しておくことが大切です。
入居時の状態記録の重要性
引っ越してすぐの室内の傷や汚れ、設備の状態を写真や動画で残しておくと、退去時に「この傷はもともと付いていた」と証明できるため非常に有効です。
状態記録を取る際のポイントを下記の表にまとめました。
記録すべき箇所 | チェック内容 | 備考 |
---|---|---|
壁・床 | 傷、汚れ、剥がれ | 全体・アップ両方撮影 |
窓・サッシ | 割れ、カビ、水漏れ | 窓枠も忘れず撮影 |
設備 | エアコン、コンロ、給湯器の作動 | 通電確認も撮影 |
このような記録があると、不当な請求を防ぐ大きな武器となります。
日頃の清掃・メンテナンス
日常的に掃除をし、設備を丁寧に扱うことが退去費用節約の近道です。
とくに湿気がこもりやすい箇所やカビが発生しやすい場所は、定期的に乾拭きや消毒をしておきましょう。
また、床や壁などに傷がつかないよう家具のレイアウトを工夫したり、転倒防止マットを利用するのもおすすめです。
小さな心がけが、結果的に原状回復費用を大きく減らすことにつながります。
退去前の自主的なクリーニング
退去前に自分でしっかり掃除を行うことで、プロによるクリーニング費用を抑えられるケースもあります。
特に水回りや換気扇、キッチンの油汚れなど、落とせる汚れはできるだけ事前に綺麗にしておきましょう。
以下の場所を重点的に掃除するのがポイントです。
- キッチン(排水口、コンロ周り、換気扇)
- バスルーム(カビ、排水溝、鏡のウロコ汚れ)
- トイレ(便器内外、床、壁)
- 窓やサッシ(レールのホコリ、ガラスの水垢)
- エアコンのフィルター掃除
丁寧に掃除を行えば、管理会社や大家からの評価も高くなり、不要な追加請求を防げる可能性が高まります。
管理会社・大家との交渉方法
退去費用の見積もりが届いたら「どの項目がどの程度の費用なのか」を明確に説明してもらいましょう。
納得できない点があった場合は、国土交通省のガイドライン(原状回復をめぐるトラブルとガイドライン)などを例に出しつつ根拠を求めることが重要です。
交渉の際は下記のような流れで話すとスムーズです。
- 請求内容の明細を確認する
- 入居時の写真など証拠資料を提出する
- ガイドラインを引用して不明点や過大請求と思われる部分について説明を求める
- 冷静かつ誠実な態度でコミュニケーションを取る
事情によっては消費者センターなど第三者機関のサポートを受けるのも有効です。
2LDK退去時に起こりやすいトラブルと対処法

2LDKの賃貸物件を退去する際には、思わぬトラブルが発生することがあります。
多くの場合、原状回復費用や敷金の精算、退去費用の請求額に関して疑問や不満を感じるケースが見受けられます。
スムーズに退去手続きを進めるためにも、よくあるトラブルとその対処法を知っておくことが大切です。
請求額への疑問と交渉
退去費用の請求額が思ったより高額だった場合、その内容に納得できない人も多いです。
例えば、クリーニング代やクロスの張替え代など、本来借主が負担しなくても良い項目まで請求されてしまうことがあります。
納得できない場合は、明細の提示を求めて原因をひとつひとつ確認しましょう。
また、「ガイドラインに基づいて計算されていますか?」と管理会社や大家さんに質問することで、相場に沿った請求に修正されやすくなります。
主なポイントは以下の通りです。
- 請求内訳の明細を確認する
- 必ず領収書や写真の提出を求める
- 国土交通省のガイドラインを参考にする
- 納得できない場合は減額交渉をする
敷金の扱いをめぐる問題
入居時に預けた敷金について、全額返金されないケースも少なくありません。
具体的には、敷金から未払い家賃や、原状回復に必要な費用が差し引かれた結果、思ったよりも返金額が少ないと感じる場合があります。
このようなトラブルを回避するためにも、敷金の精算内容や内訳をしっかりチェックすることが重要です。
以下は敷金トラブルの主な事例と対処策です。
トラブル事例 | 対処策 |
---|---|
クリーニング費用が全額敷金から差し引かれた | ガイドラインを基に負担割合を確認し、交渉する |
経年劣化分まで負担させられた | 経年劣化は借主負担しなくて良いことを伝え調整する |
精算明細の提出を渋られた | 明細の開示を文書で依頼する |
高額請求時の相談窓口
どうしても話し合いで解決しない、極端に高額な請求をされた場合には、第三者機関に相談しましょう。
無料で相談できる主な窓口は以下の通りです。
- 消費生活センター
- 国民生活センター
- 弁護士(無料相談を実施している自治体もあり)
- 各都道府県の住宅相談窓口
- 宅地建物取引業協会
専門家のアドバイスを受けることで、不要な支払いを防いだり、適切に交渉を進めたりできます。
トラブルが解決しない場合でも冷静に手順を踏んで、適切な機関に相談することがトラブル防止につながります。
2LDK退去費用と敷金の関係

2LDKの賃貸物件を退去する際、退去費用がいくらかかるかは多くの人が気になるポイントです。
そこで重要になるのが「敷金」との関係です。
一般的に敷金は、入居時に家主に預けるお金で、部屋の原状回復に必要な費用などが差し引かれた後、残りが返金されます。
2LDKといった広めの間取りほど、原状回復の範囲も広くなるため、敷金から差し引かれる金額が大きくなる可能性があります。
次では実際に敷金から具体的に差し引かれる費用や、敷金が返金される条件、敷金なし物件での退去費用の扱いについて見ていきます。
敷金から差し引かれる費用
敷金は、借主が退去する際に部屋を元の状態に戻す費用(原状回復費用)や、未払いの家賃、クリーニング代などがあれば、それらを差し引いた上で返金されます。
主に敷金から差し引かれる項目は以下の通りです。
- ハウスクリーニング代
- 壁紙や床などの補修費用
- 設備や備品の破損に対する修理費
- 未払い分の家賃や光熱費
2LDKの場合、部屋数が多いことからハウスクリーニングや補修の費用が高額になる傾向もあります。
また、経年劣化による傷や汚れは借主の負担にならないことが一般的ですが、故意や過失によるものは賃借人負担となります。
項目 | 負担者 |
---|---|
経年劣化による壁紙の色あせ | 貸主 |
タバコのヤニ汚れ | 借主 |
通常使用による床の擦り傷 | 貸主 |
ペットのひっかき傷 | 借主 |
事前にどの部分の費用が敷金から差し引かれるかを確認し、トラブル防止のため物件の状況を写真で残しておくことも大切です。
敷金が返金される条件
敷金が返金される条件は、原則として「部屋を借りたときの状態に戻していること」と「未払い金がないこと」です。
具体的には、退去時にクリーニング代や修理費用、未払いの家賃・光熱費などを差し引いた上で、残った分が返金されます。
返金の目安となる条件は次の通りです。
- 通常使用範囲の汚れや傷のみである
- 賃料や共益費などの未払いがない
- 契約書に違反する使用をしていない
- ペット飼育や喫煙など、特別な条件が課されている場合は守っている
また、返金額や内訳については、貸主から明細書の提示が求められた場合はしっかりと確認しましょう。
納得できない場合は、管理会社や不動産会社に相談したり、消費生活センターに問い合わせることもおすすめです。
敷金なし物件の退去費用の扱い
近年では敷金ゼロの「敷金なし物件」も増えていますが、敷金がない場合でも退去時の原状回復費用が不要になるわけではありません。
敷金なしの場合、基本的には退去時にハウスクリーニングや修繕費用などの実費を直接請求される仕組みです。
そのため、2LDKの広めの部屋では、退去現場で予想外の高額請求を受けてしまうケースもあります。
敷金あり物件 | 敷金なし物件 |
---|---|
退去費用が敷金から差し引かれる | 退去時に現金で支払う |
残額は返金される | 原則的に返金なし |
入居時にまとまった出費がある | 入居時の負担が少ない |
敷金なし物件を選ぶ場合には、契約前に退去時の費用やクリーニング代金の設定について、契約書をよく確認しておくことが重要です。
不明点は事前に管理会社に問い合わせて、トラブルを防ぐようにしましょう。
2LDK退去費用に関するよくある質問

2LDKの退去費用に関しては、実際に退去する際多くの方が疑問や不安を感じるポイントがあります。
ここでは分割払いの可否、退去費用ゼロ円のケース、築年数や地域差がどのように影響するのかについて、よくある質問をもとに解説します。
分割払いの可否
退去費用は一度にまとまった金額が請求されるケースが多いため、分割払いができないか気になる方もいます。
実際には、管理会社や家主によって分割払いに対応してくれる場合もありますが、必ずしも認められているわけではありません。
交渉次第で分割が可能になることもあるため、支払いが難しい場合は、まずは管理会社に相談してみましょう。
分割払いを希望する際には、下記のポイントが重要です。
- 支払いが難しい理由を明確に伝えること
- 支払う意志があることをしっかりと示すこと
- 分割回数や金額の希望を具体的に伝えること
分割払いの可否は事前の相談と誠意ある対応がカギになります。
退去費用ゼロ円のケース
2LDKの退去でも、状況によっては費用が発生しない場合があります。
一般的に、下記のようなケースが該当します。
ケース | 内容 |
---|---|
原状回復が不要な場合 | 特に目立った傷や汚れがなく、通常使用の範囲であれば費用がかからないことがあります。 |
敷金で全額まかなえる場合 | クリーニング費用や修繕費が敷金から差し引かれて、追加で支払いが発生しないケースです。 |
最初からハウスクリーニング費用が家賃に含まれている場合 | 契約内容によっては、契約時点でクリーニング費用が設定されていることがあります。 |
費用ゼロを目指すには、普段からきちんと部屋を使い、契約内容もよく確認しておくことが大切です。
築年数や地域差の影響
2LDKの退去費用は築年数や地域によっても変動します。
新しめの物件は内装や設備の修繕費用が高くなる傾向があり、逆に築年数が古い場合はもともと経年劣化として扱われる部分が増えるため、原状回復費用が安く抑えられることもあります。
また、地域差も意外と大きいポイントです。
都市部と地方とでは、退去時のクリーニング費用や修繕費の相場が異なることがあります。
具体的な違いを知っておくことで、退去時に想定外の出費を減らすことができます。
2LDKの退去費用相場を知り無駄な出費を防ぐためにできること

ここまで、2LDKの退去費用について詳しく解説してきました。
実際に住んでいると、どうしても壁紙の傷や床の汚れなどがついてしまいますが、日常的な使い方で発生したものについては過剰な請求をされないよう注意が必要です。
退去時には、見積もり内容をしっかりと確認したり、必要に応じて管理会社や大家さんと冷静に交渉することが大切です。
また、退去の前に室内を掃除したり、破損がある場合は事前に修理するなどして、できるだけきれいな状態で返却することで、トラブルや追加費用のリスクを減らせます。
引越しのタイミングは忙しくなりがちですが、少しの準備と確認で大きな出費を防げることが多いので、落ち着いて退去手続きを進めていきましょう。
納得のいく形で退去できるよう、今回ご紹介した内容をぜひ参考にしてください。