冷蔵庫の持ち方で迷わない|腰と床を守る運び方を整えよう!

明るい日差しが差し込むデコレーションされたリビング
アイテム

冷蔵庫は「抱える」より「倒さない・滑らせない・ぶつけない」を優先すると運びやすくなります。

正しい持ち方を知らずに力任せで持ち上げると、腰や指を痛めたり、床や壁を傷つけたりしやすいです。

さらに運搬中の傾け方しだいでは、冷えが悪くなるなどトラブルにつながることもあります。

この記事では、冷蔵庫を安全に運ぶための持ち方、動かし方、道具の使い方を順番に整理します。

一人でできる範囲と、無理せず頼む判断基準も合わせて把握しておきましょう。

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冷蔵庫の持ち方で迷わない

白を基調としたダイニングとカウンターキッチンのあるリビング

冷蔵庫の持ち方は「体の使い方」と「冷蔵庫の掴み方」をセットで考えるのが近道です。

持ち上げる回数を減らし、台車や毛布で滑らせる場面を増やすほど安全性が上がります。

ここでは作業の流れに沿って、現場で迷いがちなポイントを具体化します。

持ち上げる前の準備

持ち方の前に、冷蔵庫を「持てる状態」に整えるだけで事故が激減します。

庫内の食品や棚が残ったままだと、重心が不安定になって手元がブレやすいです。

霜取りと水抜きが不十分だと移動中に水漏れし、床で滑って転倒しやすくなります。

  • 中身を空にする
  • 可動棚を外す
  • 霜取りを済ませる
  • 水受けの確認
  • 電源プラグを抜く

基本の抱え方

基本は腕力で抱えるのではなく、脚で立ち上がって胴体で支える感覚に寄せます。

背中を丸めて前屈みで持ち上げると腰に集中して負担が乗りやすいです。

冷蔵庫の側面下部に手を差し込み、手首を曲げずに前腕で押さえると安定します。

  • 足幅は肩幅
  • 膝を曲げて近づく
  • 腰はねじらない
  • 指先だけで掴まない
  • 取っ手を持ち手にしない

二人での担ぎ方

二人作業は「同じ高さで持つ」「同じタイミングで動く」を守ると一気に安全になります。

片側だけ上げると、冷蔵庫が回転して指を挟みやすいので合図を固定します。

前側の人は視界が広いぶん誘導役になり、後ろ側は無理にペースを上げないのがコツです。

  • 合図の言葉を決める
  • 一歩ずつ移動
  • 休憩位置を先に決める
  • 角は小さく回す
  • 指の逃げ道を作る

階段の通し方

階段は「持ち方」より「置き方」が勝負で、途中で安定して置ける面を確保するのが重要です。

無理に一気に上げ下げせず、踊り場や段の端で一度固定して姿勢を作り直します。

上下どちらが重いかを先に確認し、重い側が下になるようにすると制御しやすいです。

  • 踊り場で休む
  • 段鼻に毛布を敷く
  • 片足ずつ乗せる
  • 急旋回しない
  • 手袋を着用

台車の使い方

台車は冷蔵庫の重さを腕から床へ逃がせるので、最初に優先して使いたい道具です。

載せるときは持ち上げず、手前に少しだけ傾けて下に差し込む動きにします。

段差がある場所では台車を無理に引きずらず、板やスロープで高さを消します。

道具 平台車
向いている場面 室内移動
注意点 段差に弱い
補助 毛布

車に積むとき

車への積み込みは「持ち上げる高さ」が最大になるので、人数と導線の確保が最重要です。

後部座席を倒して床面をフラットにし、毛布で滑らせるルートを先に作ります。

積んだ後は倒れないように固定し、ドアが開かないようにテープで仮止めします。

  • 積み口の高さ確認
  • 毛布で滑らせる
  • 壁側に寄せる
  • ベルトで固定
  • ドアを養生テープ止め

立て直しと通電の待ち時間

運搬後は設置場所で水平を作り、安定して置けたことを確認してから電源へ進みます。

移動などで電源プラグを抜いた後に挿し込む場合は、機種によって一定時間待つ案内があります。

取扱説明書やメーカーのFAQに従い、短時間で抜き差ししないことが機器保護につながります。

  • 設置後に時間を置く
  • 水平を確認
  • 放熱スペース確保
  • 庫内が冷えるまで待つ
  • 冷凍品は後で入れる

無理な運搬が招く故障を避けたい

ナチュラルウッドのダイニングテーブルとシンプルなキッチン空間

冷蔵庫は精密機器なので、持ち方を間違えると外装だけでなく内部にも負担がかかります。

特に横倒しや過度な傾きは、コンプレッサー周りの状態に影響する可能性があるため注意が必要です。

ここでは運搬によるトラブルを避けるための考え方を整理します。

倒してはいけない理由

冷蔵庫を横向きにすると、内部の潤滑油が偏り配管側へ回り込む可能性があると説明されています。

その状態で通電すると、正常な循環が妨げられて冷え不良や故障につながる恐れがあります。

基本は立てたまま運ぶ前提で段取りを組むのが安全です。

横倒しが必要な場合

どうしても横倒しが避けられない状況では、傾ける時間と角度を最小化し、運搬後の復帰時間を多めに取ります。

運搬中は揺れが増えるので、毛布で包んで振動を減らし、固定ベルトで動かないようにします。

最終判断は機種の取扱説明書の指示を優先し、分からない場合はメーカーに確認するのが確実です。

  • 傾きは最小
  • 横倒し時間を短く
  • 毛布で保護
  • ベルトで固定
  • 設置後は余裕待機

運搬後に電源を入れる目安

設置後の通電タイミングはメーカーや状況で異なり、FAQでは「すぐ差してよい」や「数分待つ」などの案内があります。

一方で庫内が安定して冷えるまでには数時間から半日以上かかる場合があるため、食材の戻し方も計画が必要です。

不安があるときは「通電は早く、食品は遅く」を意識すると失敗しにくいです。

場面 移動後に設置
通電の考え方 メーカー案内に従う
運転開始の遅れ 保護動作で遅れる
冷えの安定 数時間〜半日

故障が疑われるサイン

電源を入れても冷えない、異音が強い、庫内灯は点くのにコンプレッサーが動かないなどは様子見の判断材料になります。

設置直後は冷えるまで時間がかかるため、焦って詰め込みや扉の開閉を繰り返すと安定が遅れます。

数時間たっても改善が乏しい場合は、説明書のトラブルシュートとサポート窓口の案内を確認しましょう。

家の中でぶつけない動線を作る

梁見せ天井とアイランドキッチンがある開放的なLDK

持ち方が正しくても、通路が狭いと冷蔵庫は簡単に壁や角へ当たります。

運搬は「測る」「守る」「固定する」の順に準備すると、搬出入がスムーズになります。

道具が少なくても、計測と養生だけで成功率が大きく上がります。

幅と高さを測る

最初に測るのは冷蔵庫本体ではなく、通路のボトルネックになりやすい地点です。

曲がり角やドア枠、廊下の手すり、キッチンのカウンター端などを拾うと詰まりにくくなります。

搬出入ルートが決まれば、台車を使う場所と持ち上げる場所を分けて考えられます。

計測ポイント ドア枠
計測ポイント 廊下幅
計測ポイント 曲がり角
計測ポイント 階段幅

床の養生

床は傷よりも滑りが危険なので、先に「滑らない面」を作るのが有効です。

毛布や段ボールを敷くと摩擦が変わるため、動かす方向と敷く位置を意図して決めます。

賃貸や新築では角当て用の緩衝材も用意しておくと安心です。

  • 毛布
  • 段ボール
  • 養生テープ
  • 緩衝材
  • 軍手

ドアと取っ手の固定

運搬中にドアが開くと重心が崩れ、手元が持っていかれて転倒の原因になります。

養生テープでドアを軽く止め、棚やケースは外して別で運ぶのが基本です。

取っ手やパネルの段差は壁に当たりやすいので、毛布で包んで角を丸くします。

置き場所の環境

設置位置は壁に密着させず、放熱スペースを確保できる場所を優先すると安定しやすいです。

水平が出ていないとドアが勝手に動いたり振動が増えたりするため、脚の調整も重要です。

冷えるまで時間がかかる前提で、冷凍品の一時置き場所も先に決めておきましょう。

一人で動かすときの現実的な方法

ロッキングチェアと観葉植物が置かれた明るいリビング空間

冷蔵庫は重量物なので、理想は二人以上で作業するのが安全です。

それでも一人で動かす必要があるなら、持ち上げずに「ずらす」「滑らせる」を中心に考えます。

無理して抱えるほど、腰と床と本体の三方が危険になります。

一人で持ち上げない判断基準

一人作業は「持ち上げる」のではなく「移動させる」作業に限定すると事故が起きにくいです。

少しでも不安がある場合は、重さよりも搬出入経路の難しさを基準に判断します。

階段がある時点で一人作業の難易度は急上昇するため、無理をしない方が得です。

  • 階段がある
  • 曲がり角が多い
  • 床が滑りやすい
  • 通路が狭い
  • 車へ積み込みが必要

スライダーでずらす

冷蔵庫の脚の下に家具スライダーや毛布を差し込み、押してずらすと持ち方の負担が激減します。

差し込むときは片側だけ少し持ち上げ、すぐに支えを入れて戻す動きにします。

押す方向は短い距離で刻み、曲げ角は小さく調整すると壁に当たりにくいです。

台車とラチェットベルト

一人で台車を使うなら、載せた後の固定が重要で、ベルトで一体化させてから動かします。

固定が甘いと段差で台車だけが動き、冷蔵庫が倒れてしまいます。

台車は段差に弱いので、板を噛ませて高さを消す段取りまで含めて道具を組みます。

道具 ラチェットベルト
目的 転倒防止
組み合わせ 平台車
補助

どうしても無理なら頼む

一人での持ち方に固執して壊すより、スポットで搬出入だけ頼む方が結果的に安いこともあります。

大型冷蔵庫や搬入経路が特殊な家は、吊り作業や分解が必要になるケースもあります。

危険を感じた時点で「撤退する判断」を持っておくことが最も安全です。

引っ越し業者や家電配送に頼む選択肢

大きな窓から光が差し込むフローリングのリビング空間

冷蔵庫は「運べるか」だけでなく「壊さずに運べるか」を考えると、依頼する価値が出やすい荷物です。

費用を抑えるには、依頼先の種類と追加料金になりやすい条件を先に理解しておくのが効きます。

見積もり時点で伝える情報が揃うほど、当日の追加作業が減ります。

依頼先の種類

依頼先には引っ越し業者だけでなく、家電配送や生活サポート系の運搬サービスもあります。

どこまで作業してくれるかは「搬出入のみ」「設置込み」「梱包込み」で差が出るので比較軸を揃えます。

自分で準備できる範囲を切り分けると、費用の最適化がしやすくなります。

依頼先 引っ越し業者
強み 搬出入が早い
依頼先 家電配送
強み 設置に慣れている

見積もりで伝えること

伝える情報が不足すると当日になって追加作業が増え、想定外の費用につながりやすいです。

冷蔵庫のサイズだけでなく、搬出入ルートの条件を具体的に渡すのがポイントです。

写真や寸法があると、作業員の判断が早くなり現場が荒れにくくなります。

  • 型番
  • 高さと幅
  • 階段の有無
  • 曲がり角
  • 駐車位置

追加料金が出やすい条件

搬入経路が狭い、階段が長い、養生が必要、吊り上げが必要などは追加作業になりやすいです。

エレベーターがあっても、廊下の曲がり角が通らないと階段扱いになることがあります。

事前に分かる条件は、当日ではなく見積もり時に共有する方が結果的に安定します。

メーカー情報の確認先

運搬や電源の扱いは機種で差があるため、取扱説明書とメーカーFAQを参照するのが確実です。

例えばパナソニックは運搬時の注意点と、プラグの抜き差しに関する待ち時間をFAQで案内しています。

日立も移動後の通電について、保護のための待ち時間を明記しています。

冷蔵庫を安全に運ぶための要点

ポップでカラフルな装飾のリビングルーム

冷蔵庫の持ち方は、腰で抱えるのではなく脚で立ち上がり胴体で支える意識に切り替えると安定します。

持ち上げる回数を減らすために、台車や毛布で滑らせる工程を先に設計しておくのが効果的です。

ドアの固定と床の養生をしておけば、転倒と破損のリスクを大きく下げられます。

横倒しや大きな傾きは避け、運搬後の通電はメーカーの案内に従って焦らず進めましょう。

一人で無理に持ち上げるより、道具で動かすか搬出入だけ頼む方が安全で結果的に得になることがあります。

準備と導線が整っていれば、冷蔵庫の移動は「力仕事」ではなく「段取り仕事」に変わります。