引っ越し退去の挨拶をする際、「のし」をどう選び、どのように渡すのが正解なのか悩んだことはありませんか。
慣れないマナーや、のしの種類、名前の書き方など、細かな部分でつまずきやすい場面です。
誤ったマナーで気まずくなったり、失礼になってしまうのは避けたいもの。
この記事では、「引っ越し退去の挨拶のし」にまつわる基本から、選び方、添え方までをわかりやすく解説します。
また、粗品の選び方や挨拶のタイミング、相手ごとのポイントも徹底網羅。
これから始まる新生活に向けて、気持ち良く旧居を後にするためのヒントもご紹介します。
迷いや不安を解消し、スムーズに引っ越しを進めたい方は、ぜひ続きをご覧ください。
引っ越し退去時の挨拶での「のし」の選び方とマナー徹底ガイド

引っ越しの際、退去時の挨拶には手土産と併せて「のし」を掛けることが多く、心を込めた丁寧な印象を与えます。
しかし、地域による慣習や家族構成、マンション・戸建てといった住環境によってマナーも少しずつ異なります。
正しい「のし」の選び方やマナーを知っておくと、気持ちのよい新生活や退去後の良好な関係維持につながります。
「のし」が必要なケースと必要ないケース
引っ越しの退去挨拶で「のし」を付けるかどうかは状況によります。
- 家族で長く住んだ場合や、ご近所と顔なじみになっている場合は「のし」を付けるのが一般的です。
- 短期間の入居や単身で生活していた場合、のしを省略し手土産だけ渡すケースも少なくありません。
- 勤務先の社宅や賃貸マンションの場合も、状況によって「のし」無しのカジュアルな挨拶も増えています。
- 反対に、田舎や古くからの近所づきあいが残る地域では「のし」が欠かせないこともあります。
迷う場合は、近隣の方や管理人さんに事前に確認してみるのがおすすめです。
旧居で使う「のし」の表書き
退去時、旧居での挨拶に使う「のし」の表書きは「御礼」や「粗品」が多く選ばれます。
「御挨拶」「ご挨拶」と書く例もありますが、最も無難なのは「御礼」です。
これまでのお付き合いへの感謝の気持ちを丁寧に伝えることができます。
贈る場面 | おすすめの表書き |
---|---|
旧居のご近所・管理人へ | 御礼・粗品・御挨拶 |
短期間の入居 | 粗品・御挨拶 |
「御礼」は幅広く使えるので、迷ったときはこの表書きを選ぶと安心です。
新居で使う「のし」の表書き
新居で初めてのご近所挨拶をする場合ののし表書きは「ご挨拶」または「御挨拶」が一般的です。
まだ相手と面識がないため、丁寧だけれどやや控えめな表現を使います。
間違っても「御礼」「粗品」とは書かず、新たな関係のスタートの気持ちを込めるのがポイントです。
のし紙がない場合も、のしシールや控えめな包装紙を使うと気持ちが伝わります。
「のし」の水引きの種類と選び方
引っ越しの挨拶に使う「のし」には、紅白の「蝶結び(花結び)」の水引きが適しています。
蝶結びは「何度でも繰り返してよい出来事」に使われるため、お祝いごとや日常の贈り物向けです。
引っ越し挨拶で使うのしの水引き選びのポイントをまとめると、以下のようになります。
- 紅白の蝶結び(花結び)…一般的な引っ越し挨拶に最適
- 結び切り…使わない(結婚や快気祝いなど特別な場面用)
- 黒白、黄白…仏事用なので絶対に避ける
水引きの本数は5本や7本のものが一般的で、あまりこだわる必要はありません。
名前の記載方法と注意点
のし紙の下段には贈る側の名字か、フルネームを記載します。
家族の場合は世帯主の名前だけでOKですが、夫婦連名や家族の名前を並べて書いてもかまいません。
書く際は毛筆またはサインペンなど、なるべく丁寧に書くようにしましょう。
賃貸マンションで名字が知られていない場合は、部屋番号を小さく書き添える配慮もあります。
宛名欄は空欄のままで問題ないケースが多いですが、気になる場合は「○○様」と付記しても構いません。
「のし」の正しい付け方(外のし・内のし)
引っ越し挨拶では「外のし」と呼ばれる、包装紙の上にのし紙をかける方法が主流です。
手渡しで直接感謝を伝える意味もこめ、のしがしっかり見えるようにするためです。
逆に郵送で贈る場合には「内のし」といって、包装紙の下にのしを掛ける場合もあります。
外のし、内のしの違いを簡単な表にまとめます。
付け方 | 特徴 |
---|---|
外のし | 手渡し用。のしが外から見える。 |
内のし | 郵送・宅配用。のしが包装紙の下。 |
どちらもTPOに合わせて選びましょう。
「のし」を忘れた場合の対応
うっかり「のし」を準備し忘れることもありますが、焦る必要はありません。
心のこもった言葉で感謝の気持ちを伝えることが最も大切です。
のし紙がない場合は、市販の「のしシール」や店頭でもらえる「簡易のし」を利用する手があります。
また、簡単なメッセージカードを添えて「本来はのしを用意すべきところ失礼いたします」と一言添えるのも良い印象です。
相手に気持ちが伝われば、形式の有無よりも大切な部分はカバーできます。
「のし」の手配方法と作成のコツ
のし紙はスーパーや文房具店、100円ショップなどで手軽に購入できます。
お菓子店やギフトショップで手土産を購入する場合は、のしが無料で付けてもらえるか確認しましょう。
ご自宅のプリンターで無料テンプレートを印刷する方法もあります。
- 市販ののし紙を準備またはお店で依頼する
- オンラインでテンプレートを探して印刷する
- 表書きや名前は濃いめのペンや筆で丁寧に書く
- 水引きがズレないようにしっかり掛ける
少し余分に用意しておくと、急な手土産にも対応できて安心です。
引っ越し退去時の挨拶で渡すおすすめ粗品

引っ越しの退去時にお世話になったご近所へ挨拶をする際、ちょっとした粗品を手渡すと良い印象を残すことができます。
選ぶ品物は、相手に気を遣わせない実用的なものが最適です。
近隣の方が日常的に使えるものや、ご家族の人数に左右されないものがおすすめです。
日用品(タオル・洗剤など)
タオルや洗剤などの日用品は、年代や家族構成を問わず喜ばれやすいアイテムです。
必要な時にサッと使えるため、もらう側も負担に感じにくいことがメリットです。
- フェイスタオルやハンドタオルは消耗品で品質にこだわらず受け取りやすいです。
- 食器用洗剤や洗濯洗剤も日常使いでき、サイズが小さめのものならより気軽に受け取ってもらえます。
- ラッピング済みの商品や、シンプルなデザインのものがおすすめです。
のしは「御礼」や「ご挨拶」と書かれたものをかけると、より丁寧な印象になります。
食品(お菓子・お米など)
食品も引っ越し退去時の挨拶でよく選ばれるアイテムです。
賞味期限が長めのものや、個包装になっているものがおすすめです。
おすすめ食品 | ポイント |
---|---|
焼き菓子・クッキー | 個包装で衛生的、日持ちしやすい |
小分けパックのお米 | 家族の人数を問わず使える |
インスタントスープ・スティックコーヒー | すぐに使えて誰でも喜ばれる |
食品を選ぶ際は、アレルギーや宗教上の制限などに配慮して、無難な商品を選ぶと安心です。
ティッシュペーパー・キッチンペーパー
実用性の高いティッシュペーパーやキッチンペーパーも、挨拶の粗品として昔から選ばれています。
重くなく持ち帰りやすいサイズを選ぶと良いでしょう。
セット商品などは、シンプルなラッピングやのし紙がつけられるものも多く、見た目のきちんと感も演出できます。
どこのご家庭でも使う消耗品なので、もらって困ることが少ない点も安心です。
熨斗をつける場合は「御礼」や「粗品」「ご挨拶」などの表書きを選ぶと、感謝の気持ちが伝わります。
引っ越し退去挨拶をするタイミングとベストな日程

引っ越しの退去時に挨拶をすることで、ご近所への感謝の気持ちやマナーを伝えることができます。
退去の挨拶は新しい住まいでも良い印象を残す大切な機会です。
タイミングや日程を正しく選ぶことで、気持ちよく新生活をスタートできます。
訪問すべきタイミング
退去の挨拶をするタイミングは、基本的に引っ越し作業の前日から当日がベストです。
遅くなりすぎず、早すぎない時期を選ぶことで、引っ越し準備の邪魔にならず、ご近所の方にも負担をかけません。
出来れば退去日が確定したら、数日前から前日までの間で都合の良いタイミングを見つけましょう。
- 引っ越し作業の前日
- 当日の朝
- 場合によっては数日前
ご近所の方の日常のリズムを意識できると、よりスムーズに挨拶ができます。
挨拶に適した時間帯
挨拶に伺う時間帯も大切なポイントです。
一般的には、早朝や深夜は避け、午前10時から午後6時頃までが無難とされています。
時間帯 | おすすめ度 | 理由 |
---|---|---|
午前10時~正午 | ◎ | 家事やお仕事前の比較的在宅率が高い時間帯 |
午後1時~午後6時 | ○ | お昼後で余裕がある方も多い |
早朝・夜間 | × | 迷惑になるため基本的にNG |
お子様がいるご家庭や高齢の方がいる場合は、特に時間の配慮を心がけると良いでしょう。
不在時の対応策
挨拶に伺った際に不在で会えなかった場合は、無理に何度も訪ねる必要はありません。
その場合は、簡単な挨拶状やメッセージカードと、のしを付けたちょっとした手土産をポストやドアノブに掛けておくのがマナーです。
- 挨拶文と手土産をセットにしてポストへ投函する
- 防犯上問題がなければドアノブに掛ける
- できるだけ気づいてもらいやすい目立つ場所に置く
ただし、貴重品や生もの、現金などは避けるようにしましょう。
丁寧な対応を心がけることで、最後まで気持ちよく近隣関係を終えられます。
引っ越し退去挨拶の範囲と対象

引っ越しの際は、退去時の挨拶をすることでこれまでの感謝の気持ちを表現できます。
挨拶をする範囲や対象は住居の形態によって異なるため、状況に合わせて適切に対応しましょう。
一戸建ての場合の範囲
一戸建てにお住まいの場合、退去時の挨拶は隣近所や向かい側など、直接かかわりのあった周囲のご家庭が対象となります。
具体的には、隣家2軒ずつと向かい3軒、さらに裏手に1~2軒が一般的な目安です。
- 両隣の家
- 向かいの3軒
- 裏手の家(必要に応じて)
日頃交流がある住人が多い場合は、その範囲で感謝のご挨拶をすると良いでしょう。
集合住宅の場合の範囲
集合住宅の場合は、直接生活音や動線で影響のあった住人への挨拶が基本です。
基本的な挨拶範囲は下記のようになります。
部屋位置 | 挨拶対象 |
---|---|
両隣 | 自室の左右の部屋 |
上下階 | 真上・真下の部屋 |
管理組合 | 必要に応じて |
エレベーターホールなど共用部で顔を合わせる機会が多いご家庭、長くお付き合いがあった方には、個別に挨拶するのもおすすめです。
大家さん・管理人への挨拶
賃貸住宅の場合は、大家さんや管理人さんへの挨拶も大切なマナーです。
これまでお世話になった感謝を伝えるとともに、退去手続きやクリーニングなどの確認事項があれば相談しましょう。
迷惑をかけたことなどがあれば、その点も丁寧にお詫びすると好印象です。
気持ち良く旧居を離れるために心掛けたいポイント

引っ越しで退去する際、新しい生活への期待が大きい一方で、これまでお世話になった旧居やそのご近所への配慮も大切です。
退去するときの挨拶は、最後の印象を左右する機会です。
丁寧に挨拶をすることで、今までの感謝の気持ちが伝わり、気持ちよく新天地へ出発できます。
また、「のし」をかけた挨拶品の用意は、相手への心遣いを示す良い方法です。
お世話になった方々に、感謝の気持ちをきちんと伝えることを意識しましょう。
ささやかな贈り物でも心からの挨拶を添えて渡せば、良い思い出となります。
円満な退去は新生活への気持ちの切り替えにもつながります。
感謝の気持ちを忘れず、最後まで丁寧な対応を心掛けましょう。