引っ越しを控えると、役所での手続きが予想以上に多くて何から始めてよいか迷ってしまうものです。
特に「どの順番で、何を、どこに届け出ればいいのか」、事前に把握できていないと時間や手間がかかってしまいがちです。
この記事では、引っ越し手続きに関する役所での具体的な流れや注意点を徹底解説し、スムーズに新生活をスタートできるようサポートします。
必要書類の準備や各種届出、自治体ごとの違いまで、知っておきたいポイントをわかりやすくまとめています。
これから引っ越しをする方も、直前になって焦らないためにぜひご活用ください。
引っ越し手続きで役所に行く際に必要な具体的な手順

引っ越しをすると、役所でさまざまな手続きを行う必要があります。
これらの手続きは新しい生活をスムーズに始める上でとても重要です。
必要な書類や流れを把握しておくことで、当日の手続きをスムーズに進めることができます。
それぞれの手続きについて順番に確認していきましょう。
転出届の提出方法
転出届は、いま住んでいる市区町村から引っ越す際に必要です。
新しい住所に引っ越す前に、住んでいる役所に転出届を提出します。
- 転出届の提出期限は、引っ越し予定日の14日前から当日までです。
- 必要なものは、本人確認書類・印鑑・マイナンバーカードや住民基本台帳カードです。
- 代理人が行く場合は、委任状も必要です。
- 手続きを終えると「転出証明書」が発行されます。
この「転出証明書」は新しい住所地で転入届を出すときに必ず使いますので、なくさないようにしましょう。
転入届の提出方法
転入届は、新しい市区町村で新生活を始める際に提出する必要があります。
前住所の転出証明書、本人確認書類、印鑑、マイナンバーカードや住基カードが必要です。
必要書類 | 役割 |
---|---|
転出証明書 | 前住所の市区町村で発行、転入手続きに必要 |
本人確認書類 | 身元を証明するため |
印鑑 | 手続きを進める際に必要 |
マイナンバーカード | 住所変更と本人確認両方に使用 |
転入届は引っ越し後14日以内に提出しましょう。
家族全員まとめて手続きすることもできます。
転居届の提出方法
同じ市区町村内での引っ越しの場合は転居届が必要です。
役所に行き、本人確認書類・印鑑・マイナンバーカードなどを持参します。
転居日から14日以内に手続きをしてください。
転出証明書は不要ですが、マイナンバーや運転免許証、印鑑の住所情報も同時に変更できますので便利です。
マイナンバーカードの住所変更手続き
新しい住所に引っ越した場合、マイナンバーカードの裏面の住所情報も変更しなければなりません。
転入や転居の手続きの際にマイナンバーカードを役所に持参すれば、その場で住所変更ができます。
パスワードの入力が必要なので、カード取得時に設定した暗証番号も覚えておきましょう。
印鑑登録の変更手続き
引っ越しにともない市区町村が変わる場合は、印鑑登録も再度行う必要があります。
新住所地の役所で印鑑登録をし直し、古い市区町村では旧印鑑登録証を返却します。
必要書類は、印鑑・本人確認書類・印鑑登録証です。
同じ市区町村内の転居の場合は、住所変更のみの手続きが必要になります。
国民健康保険の手続き
国民健康保険に加入している場合は、引っ越し後の住所地で加入・脱退の手続きを行います。
転居の場合は窓口で住所変更、転出の場合は脱退、転入の場合は新規加入の手続きが必要です。
本人確認書類や保険証・印鑑・転出証明書などを持参しましょう。
扶養家族がいる場合はその分の手続きも必要となります。
国民年金の住所変更手続き
国民年金への加入者は、住所変更手続きが必要です。
転出・転入の際に年金手帳や基礎年金番号がわかるもの、本人確認書類を役所窓口に提出します。
一部の市区町村ではマイナンバーにより自動的に手続きされる場合もありますが、確認のため一度窓口で手続きしましょう。
介護保険の住所変更手続き
介護保険に加入している方は、引っ越しに伴い保険の住所情報も変更する必要があります。
新しい役所で介護保険証と本人確認書類を提出し、手続きを行います。
要介護認定の手続きや訪問サービスの利用状況により、追加書類の提出が求められる場合もあります。
児童手当や子ども関連手続き
児童手当や保育園、幼稚園への入園、子どもの医療費助成なども住所変更手続きが必要です。
児童手当は新住所地で「認定請求書」を提出し、手続きをします。
必要書類は、健康保険証や印鑑、本人確認書類、場合によっては所得証明書も求められます。
保育所や学校関係も変更がある場合は、別途それぞれの窓口で確認しましょう。
犬の登録情報の変更手続き
犬を飼っている場合、住所変更の際は「犬の登録事項変更届け」を新住所地の役所で提出します。
旧住所の鑑札、犬の登録証、狂犬病予防注射済票などが必要となります。
万が一紛失している場合は、再発行手続きも可能ですので窓口で相談してください。
登録内容の変更がされないと、狂犬病予防注射のお知らせなどが届かなくなるので注意しましょう。
引っ越し前に役所で準備しておくべきこと

引っ越しの際には、さまざまな手続きを効率よく進めるために、事前に役所で準備をしておくことが大切です。
必要な書類や手続きの内容を把握し、スムーズに新生活をスタートできるようにしましょう。
必要書類の事前確認
引っ越しで役所に行く前に、どのような書類が必要になるのかをあらかじめ確認しておくと安心です。
- 転出届や転居届、転入届など、引っ越しの内容によって提出する書類が異なります。
- 家族全員分の住民票や印鑑登録証明書が必要な場合もあります。
- マイナンバーカード、健康保険証、国民年金手帳なども持参するケースが多いです。
事前に役所のホームページで必要書類を確認したり、直接窓口に問い合わせをしたりすると、準備漏れを防げます。
役所の窓口受付時間の確認
役所の窓口の受付時間は、市区町村によって異なります。
引っ越しシーズンは特に混雑しやすいため、少し余裕を持って行動することが大切です。
曜日 | 受付時間 |
---|---|
平日 | 9:00~17:00 |
土日 | 特別窓口のみ(自治体による) |
公式サイトで最新の窓口時間や受付終了時間を確認しておきましょう。
混雑緩和のため、事前予約や整理券の配布を行っている自治体もあるので、そちらの利用もおすすめです。
本人確認書類の準備
役所での引っ越し関連の手続きには、必ず本人確認書類が必要です。
運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどが一般的ですが、書類によって必要な本人確認書類が異なる場合があります。
事前にどの書類が有効なのかをチェックし、忘れずに持っていくようにしましょう。
コピーでは手続きできないケースが多いため、必ず原本を持参してください。
引っ越し後に忘れやすい役所での手続き

引っ越しを終えた後は、さまざまな役所での手続きが必要になります。
つい住民票や印鑑登録の変更だけ済ませてしまいがちですが、実はそのほかにも大事な手続きが多くあります。
忘れやすいものも多いので、チェックリストを作ってしっかり対応しましょう。
各種福祉サービスの住所変更
児童手当や障害者手帳など、役所が発行する福祉サービスを受けている場合は、必ず住所変更の手続きが必要です。
住所変更を怠ると、給付金の受け取りが遅れたり、サービスの対象外になることがあります。
主な対象になる福祉サービスをリストにまとめました。
- 児童手当
- 障害者手帳・医療費助成
- ひとり親家庭等の各種援助
- 生活保護
- 介護保険サービス利用者
手続きは原則転入先の市区町村役所で行います。
必要書類や手続き方法はサービスごとに異なりますので、事前に役所の窓口やホームページでチェックしておきましょう。
子ども関連施設の転園・転校手続き
お子さまがいるご家庭では、転園や転校の手続きも大切です。
特に保育園や幼稚園、学校の転園・転校の場合は、必要書類が多く、手続きに時間がかかることもあります。
直前になって慌てないためにも、早めの準備がポイントです。
対象施設 | 主な必要書類 | 手続きの場 |
---|---|---|
保育園・幼稚園 | 在園証明書、転居届、健康診断書 | 各園、役所こども課 |
小中学校 | 転出証明書、教科書受領証 | 転入先の学校・教育委員会 |
転園・転校の手続きには、各施設や市区町村によって必要なものが異なる場合があります。
まずは現在利用している施設や、転入予定の市区町村へ早めに問い合わせましょう。
高齢者医療保険の変更手続き
高齢者医療保険も、引っ越しをした際に役所で手続きが必要です。
住んでいる場所によって保険証の発行元が変わるため、必ず変更届を行いましょう。
手続きが遅れると、医療機関を受診できない場合があります。
引っ越し先の役所にて、保険証・身分証・印鑑などを用意して手続きしてください。
特に後期高齢者医療保険の場合は、保険証の切り替えが必要となりますので注意しましょう。
また、国民健康保険や介護保険も同時に確認しておくと安心です。
郵送や代理人による役所手続きの進め方

引っ越し手続きでは、役所に直接足を運べない場合でも、郵送や代理人を利用して手続きを進める方法があります。
忙しい方や遠方に住んでいる場合は、これらの方法を活用することで手間や時間を大きく省くことができます。
ここでは、郵送や代理人、オンラインでの手続きの進め方についてご紹介します。
郵送での転出届の方法
役所に行かずに転出届を提出したい場合、郵送での手続きが便利です。
郵送で転出届を行うには、まず現在住んでいる市区町村の役所の公式サイトから転出届の用紙をダウンロードするか、電話等で郵送請求します。
必要事項を記入した転出届と、本人確認書類のコピー(運転免許証やマイナンバーカードなど)を同封してください。
さらに、返信用封筒に切手を貼り、自分の住所を記載して同封する必要があります。
- 転出届
- 本人確認書類のコピー
- 返信用封筒(切手貼付・本人宛名記載)
書類が役所に到着し、内容に不備がなければ転出証明書が郵送で届きます。
この方法は、手続き完了までに日数を要するため、余裕をもって申請してください。
代理人申請時の必要書類
本人が役所に行けない場合は、代理人を立てて手続きをすることができます。
代理人が申請する際には、いくつかの書類が必要になります。
書類名 | 内容 |
---|---|
委任状 | 本人が署名・押印したもの |
代理人の本人確認書類 | 運転免許証など、公的な身分証明書 |
本人の本人確認書類のコピー | 運転免許証・マイナンバーカードなど |
委任状は、市区町村によって様式が異なる場合があるため、事前に役所のホームページや窓口で確認しましょう。
代理人が必要書類を揃えて提出すれば、本人に代わってスムーズに手続きを進めることができます。
オンライン手続きの利用条件
近年は一部の市区町村で、マイナンバーカードとマイナポータルを利用したオンラインでの引っ越し手続きも可能になっています。
オンライン手続きを利用するためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 有効なマイナンバーカードを所持していること
- マイナポータルAPなどの専用アプリがインストールされた端末を持っていること
- 電子証明書が有効であること
- 利用する自治体がオンライン転出・転入に対応していること
オンライン手続きは24時間受付ができるため、忙しい人には大変便利です。
ただし、自治体により対応状況や申請の詳細が異なる場合があるので、事前に公式サイトなどで最新情報を確認しておきましょう。
引っ越し手続きと自治体による違いに注意したいポイント

引っ越しの際には、役所でさまざまな手続きを行う必要があります。
しかし、市区町村ごとに申請方法や必要な書類、手続きの流れが異なる場合があるため、注意が必要です。
また、時期によって役所の窓口が混雑しやすく、スムーズに手続きを進めるためのポイントも押さえておくと安心です。
さらに、自治体独自で決められている追加の手続きがある場合もあるため、事前の確認が大切です。
市区町村ごとの申請方法の違い
引っ越し手続きは全国共通の部分もありますが、市区町村ごとに細かい違いがあります。
たとえば、同じ「転入届」の提出でも、対面で窓口に出向く必要がある自治体と、オンライン申請が可能な自治体とがあります。
また、必要な書類や提出期限についても地域によって異なる場合があります。
- 本人確認書類の種類が異なる
- マイナンバーカードの有無で手続き内容が変わる
- 代理人が申請する場合の委任状の様式が自治体独自
- 転居届の事前予約が必要な地域もある
手続きをスムーズに進めるためには、引っ越し先や旧住所の市区町村の公式サイトで最新情報を確認し、必要な書類をしっかり準備しましょう。
窓口混雑時期の注意点
役所の窓口は、特に3月から4月にかけて転入・転出が集中し混雑しやすくなります。
この時期に引っ越し手続きを予定している場合は、早めに行動することをおすすめします。
月 | 混雑レベル | 推奨される来庁時間 |
---|---|---|
3月 | 非常に混雑 | 午前中も混むため早めの時間帯が推奨 |
4月 | 混雑 | 平日の午後遅くが比較的空いている |
5月以降 | 落ち着いている | 曜日によるが全体的にスムーズ |
土日や祝日、月曜日、連休明けは特に混雑しやすくなるため、できるだけ避けて平日の昼頃や夕方に訪れるのが理想的です。
また、自治体によっては事前予約制やLINEなどの混雑情報提供サービスを導入しているところも増えています。
最新の混雑状況をチェックしながら、余裕を持って来庁しましょう。
自治体独自の追加手続き
自治体によっては、基本的な転入・転出届のほかに独自の追加手続きが必要な場合があります。
たとえば、ごみ出しルールの説明会への参加申し込みや、防災情報システムへの登録手続き、地域コミュニティの案内書類の配布など、自治体ごとにさまざまなサービスや手続きが設けられています。
また、子育て世帯向けのサポートや高齢者向けの見守りサービス登録なども、引っ越し時に案内されることがあります。
こうした独自の手続きは、公式Webサイトや窓口で案内されているので、引っ越し先の自治体に事前に確認しておくとスムーズです。
思わぬ追加手続きで手間取らないよう、チェックリストなどを活用して準備しておくと安心です。
役所での引っ越し手続きを効率的に進めるコツ

引っ越しが決まると、役所での各種手続きが欠かせません。
役所での手続きをスムーズに済ませたい場合、事前の準備がとても大切です。
ちょっとしたコツを知っていれば、混雑や時間のロスも防ぎやすくなります。
ここでは、役所での引っ越し手続きを効率良く進めるためのポイントを紹介します。
チェックリストの活用
手続きが多岐にわたる引っ越しの場合、やるべきことをまとめたチェックリストは必須アイテムです。
役所で必要となる書類や手続きの種類は、住民票の異動、印鑑登録、国民健康保険、児童手当など、細かく分かれています。
一つ一つを忘れないよう、下記のようなチェックリストを活用しましょう。
- 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード)の用意
- 印鑑の持参
- 転出・転入・転居届の提出
- 国民健康保険や国民年金の住所変更手続き
- 児童手当や子ども医療費助成の手続き
自分に必要な手続きを事前にリストアップしてチェックするだけで、手続き漏れを防げます。
相談窓口の活用
役所には、さまざまな手続きを相談できる窓口があります。
自分で調べても分からないことや、手続きが複雑な場合は積極的に相談窓口を利用しましょう。
例えば下記のような窓口があります。
窓口名 | 主なサービス内容 |
---|---|
住民異動窓口 | 住所変更、住民票や戸籍の手続き |
総合案内窓口 | 手続きの流れ案内や相談受付 |
福祉相談窓口 | 子育て、介護、障がいに関する相談 |
困ったときは遠慮せず、案内に従って手続きの順番や必要書類を確認しましょう。
一度に複数の手続きをまとめて済ませるコツも教えてもらえるので、時間短縮にもつながります。
事前予約やオンライン予約の活用
最近は多くの役所で、来庁の事前予約やオンラインでの手続き予約が導入されています。
これを利用することで、待ち時間の大幅な短縮や混雑時のストレス軽減が期待できます。
ネットや電話で指定日に予約をすることで、スムーズな流れで窓口案内を受けることが可能です。
予約の際は、必要な持ち物や事前入力が求められる場合もありますので、予約サイトの案内や確認メールをチェックすることをおすすめします。
特に引っ越しシーズンは混み合うので、早めの予約が理想的です。
オンライン手続きが可能な場合は、役所に行く手間が省けるので、積極的に取り入れてみましょう。
スムーズに新生活を始めるためのポイント

新しい生活を気持ちよくスタートさせるためには、役所での引っ越し手続きがとても大切です。
事前に必要な書類や日程を整理しておくことで、無駄な時間や手間を減らせます。
引っ越し直後は何かと慌ただしくなりますが、チェックリストを作成して優先順位を決めておくと、忘れ物を防げます。
また、住民票の異動や国民健康保険の変更、マイナンバーカードの住所変更など、役所でしかできない手続きも多くあります。
役所の窓口は平日のみの対応が多いため、早めにスケジュールを押さえるのもポイントです。
小さなお子さんがいる場合や仕事が忙しい場合は、なるべく家族の同意や委任状の用意も考えておくと安心です。
しっかりと準備をしておけば、引っ越し後の新しい暮らしを気持ちよく始めることができます。