ブレーカーの落とし方に自信がなく、「この操作で本当に大丈夫?」と不安になった経験はありませんか。
実際、正しい手順を知らずに行うと、思わぬトラブルや事故に繋がる可能性もあります。
本記事では、安全かつ確実にブレーカーを落とすための具体的な手順や、注意すべきポイントを分かりやすく解説します。
それぞれのブレーカーの種類ごとに異なる操作や、落とすべきタイミングについても網羅していますので、これからブレーカー落とし方を知りたい方には必見の内容です。
正しい知識で、安心して快適な住まいを守るための第一歩を、一緒に踏み出しましょう。
ブレーカーの落とし方を正しく行う手順と注意点

ブレーカーを安全に落とすためには、手順や注意点をしっかり理解して実践することが大切です。
正しい方法でブレーカーを操作することで、事故やトラブルを防げます。
事前確認事項
ブレーカーを落とす前に、どの設備や機器に影響が及ぶか確認しましょう。
パソコンや冷蔵庫など停止すると困るものは、事前に電源を切るか作業中断の準備が必要です。
また、停電すると危険な場所がないか、感電や転倒に注意すべき状況がないかも確認してから作業を開始しましょう。
ご家族や同居人がいる場合、ブレーカーを落とすことを知らせておくことも重要です。
ブレーカーを落とすタイミング
ブレーカーを落とすのに適したタイミングはいくつかあります。
- 電気工事や点検などで安全のため電気を一時的に遮断したいとき
- 台風や地震、雷など自然災害時の感電事故予防のため
- 電化製品のトラブルや漏電が疑われるとき
- 計画停電や長期不在時の省エネ対策
状況によって、安全を最優先してタイミングを判断してください。
分電盤の開け方
分電盤は一般的に屋内の壁や玄関付近、洗面所などに設置されています。
まず、分電盤の扉を手で開けます。
一部のタイプは軽く引き上げたりスライドしたりするだけで開きますが、硬い場合は無理に力を入れず、ネジ式やロックがかかっていないか確認しましょう。
分電盤の種類 | 開け方 |
---|---|
一般的な家庭用 | 取っ手を引く/押す |
ネジ式タイプ | ドライバーでネジを緩める |
ロック付きタイプ | ロックを解除して開ける |
開けた際は配線やホコリに触れないよう注意してください。
各ブレーカーの操作手順
分電盤の中には主に「主幹ブレーカー」「漏電ブレーカー」「子ブレーカー」が並んでいます。
一般的な操作手順は以下の通りです。
- 必要に応じて停止させるブレーカーの位置を特定します。
- 対象のブレーカーのスイッチを「切」または「OFF」に倒します。
- 一括で全ての電気を止めたい場合は、主幹ブレーカーを「OFF」にします。
- 部分的に電気を止めたい場合は、該当の子ブレーカーを操作します。
- 漏電などの異常時は、漏電ブレーカーも確認してください。
ブレーカーは必ず乾いた手で操作しましょう。
ブレーカーを落とした後の確認ポイント
ブレーカーを落としたら以下の点をチェックすることが大切です。
自宅や対象エリアの電気がしっかり切れているか確認します。
機器の動作音が止まっているか、照明が消えているか目視で確かめてください。
異常な臭いや音がしないかも確認しましょう。
作業後は分電盤の扉をしっかり閉めておくことも忘れずに行いましょう。
安全確保のための注意事項
ブレーカーの操作時に感電や火災を防ぐため、次の点に注意してください。
濡れた手で操作しないこと、破損や変色、焦げが見られる場合は無理に操作しないことが大切です。
作業中は足元も滑りやすいので安全な場所で行いましょう。
自信がない場合や異常を感じた時は、速やかに電気の専門業者へ相談してください。
ブレーカーを落とすべき主なケース

ブレーカーを落とす場面は意外と身近にあります。
誤ったタイミングでブレーカーを落としてしまうと、思わぬトラブルが起きることもあるため、適切なケースを知っておくと安心です。
引っ越しや退去の際
引っ越しや退去時には、部屋を空にした後でブレーカーを落としておくことが大切です。
これにより、残された電気製品がないことを確認でき、無駄な電気料金の発生を防げます。
また、次に住む方や管理会社の安全上、電気の遮断は基本的なマナーとも言えます。
- 部屋の中に忘れ物がないか確認する
- 冷蔵庫や洗濯機が稼働していないかチェック
- 退去時の立ち会い中にも念のため確認する
長期間不在の場合
旅行や長期出張などで自宅を何日も空ける場合、家のブレーカーを落とすと万が一の事故を防ぐことに繋がります。
特に電気機器の故障や漏電など、予期せぬトラブルのリスクを減らす効果があります。
ブレーカーを落とした方が良い場合 | 注意が必要な場合 |
---|---|
すべての家電をオフにできる | 冷蔵庫や防犯機器を稼働させる必要がある |
1週間以上不在になる | ペットの自動給餌器など電気機器を使う場合 |
生活スタイルによって必要性が異なるので、状況に合わせて判断しましょう。
停電や災害時
停電や地震などの災害時は、通電火災のリスクが高まります。
特に停電が復旧した際に、急激な通電によって火災が発生することもあるため、不安を感じた場合はいったんブレーカーを落として安全を確保しましょう。
市町村や電力会社の指示がある場合はそれに従うと安心です。
家電の交換や点検時
照明やコンセント、家電の取り替え・点検を行う際には必ずブレーカーを落としてください。
作業中の感電を未然に防ぐうえで一番確実な方法です。
特にDIYで電気作業をする場合は、十分注意して行うことが大切です。
ブレーカーの種類ごとに異なる落とし方

ブレーカーにはいくつかの種類があり、それぞれ落とし方が異なります。
誤った手順で操作すると安全装置が正しく働かなくなる可能性もあるため、種類ごとの正しい方法を知っておくことが大切です。
ここでは、一般住宅によく使われている代表的な3種類のブレーカーについて解説します。
アンペアブレーカー
アンペアブレーカーは契約しているアンペア数以上の電気が流れたとき、自動的に電気を遮断する役割を持っています。
落としたい場合は以下の手順で行います。
- ブレーカーの蓋を開けます。
- アンペアブレーカー(主幹ブレーカー)のレバーを「切」もしくは「OFF」側にしっかりと下げます。
- カチッという音でしっかりOFFになっていることを確認します。
アンペアブレーカーを落とすと住宅全体への電気供給が止まるため、停電状態になります。
作業前に冷蔵庫やパソコンなど重要な家電の電源を落としておくと安心です。
漏電ブレーカー
漏電ブレーカーは漏電が起きた場合や過剰な電流が流れた場合に電気の供給を止める安全装置です。
落とし方の流れは下記の通りです。
手順 | 内容 |
---|---|
1 | ブレーカーのパネルを開ける |
2 | 漏電ブレーカーのレバーを「切」または「OFF」に下ろす |
3 | 作業が終わったら、再びレバーを「入」または「ON」に戻す |
このブレーカーを落とすことで、漏電箇所の特定や安全確認ができます。
基本的に漏電の疑いがある際には、素早く漏電ブレーカーを切って安全を確保しましょう。
安全ブレーカー
安全ブレーカーは各部屋ごとや家電ごとに設置されている、小分けの回路を守る役割を持つブレーカーです。
一部だけ電源を切りたいときに便利です。
落とし方は以下のようになります。
- 家の分電盤(ブレーカーボックス)を開けます。
- 目的の部屋や家電に対応した安全ブレーカーのスイッチを探します。
- 該当ブレーカーのレバーを「切」または「OFF」へ下げて電源を遮断します。
これで該当する回路のみ電気が止まりますが、他の部屋や家電には影響がありません。
掃除や修理で特定の場所の電気を一時的に止める際などに活用しましょう。
ブレーカーを落とすときによくある誤解

ブレーカーを落とす際には、日常的にあまり意識しないことが多いため、誤解してしまうポイントがいくつかあります。
正しい知識を持って行動しないと、思わぬトラブルが起こることもあります。
ここでは、ブレーカーを落とすことに関して多くの方が勘違いしやすい内容について解説します。
全ての電気が止まるときの影響
ブレーカーを落とすと、一般的には家全体の電気が止まります。
よく「落としても一部だけ」などと考えがちですが、主幹ブレーカーを切ると家中の電気製品が一斉に停止します。
パソコンや録画中の家電、給湯器なども動作が止まるため、作業中のデータが消えるおそれもあります。
特に、夜間や悪天候時に落とすと、照明も使えなくなり危険です。
停電とは状況が異なり、自分で意図的に電力供給を断つため、事前に準備しておくことが大切です。
冷蔵庫や重要設備の動作停止
家庭でブレーカーを落とすときに見落としがちなのが、冷蔵庫や医療機器などの重要な設備の動作停止です。
- 冷蔵庫の中身は短時間でも冷えが失われやすい
- 酸素濃縮器や医療機器が電源を失うと命に関わる場合がある
- 水槽のポンプやヒーター停止でペットに悪影響が出ることも
特に長時間ブレーカーを落とす場合には、保存食や医療器具への影響を事前に考えておくことが重要です。
必要に応じて予備電源やモバイルバッテリーを用意することをおすすめします。
通電火災との関係
ブレーカーの操作と通電火災の関係についてもよく誤解されています。
通電火災とは | 原因 | 対策方法 |
---|---|---|
災害時に電気が復旧した際に発生する火災 | 地震などでダメージを受けた配線や家電が通電で発火 | 安全が確認できるまでブレーカーを入れない |
地震や落雷などの災害で家屋や配線がダメージを受けた場合、通電再開時に発火の危険があります。
このため、災害時にはブレーカーを落とし、復旧後に安全を確認した上で通電することが推奨されています。
逆に、通常時にブレーカーを落とすことでこの火災が必ずしも防げるわけではない、という点も覚えておく必要があります。
ブレーカーを落とす際に専門業者への相談が必要なケース

自宅やオフィスのブレーカーを安全に落とすためには、いくつか注意が必要なケースがあります。
状況によっては、自分で対処せず必ず専門業者に相談することが重要です。
ここでは、特に業者への連絡が推奨される具体的なケースについて紹介します。
ブレーカーが操作できない場合
ブレーカーのスイッチが固まって動かない、または力を入れても切り替えられない場合は、無理に操作しないでください。
無理に動かすことで内部部品が壊れたり、感電などのリスクが高まることがあります。
- スイッチが完全に下がらない
- 異常な音がする
- 焦げ臭いニオイがする
これらの症状があれば、すぐに電気工事の専門業者に連絡しましょう。
理由の分からない不具合がある場合
ブレーカーが頻繁に落ちるものの、明らかな原因が特定できない場合は注意が必要です。
主な症状 | 考えられる原因 |
---|---|
ブレーカーが何度も落ちる | 回路のショートや漏電の疑い |
一部の部屋だけ電気が使えない | 配線の断線や個別ブレーカーの故障 |
スイッチ投入後すぐに落ちる | 接続機器のトラブルや過負荷 |
上記のような症状がある場合、原因究明や安全対策のためにも専門業者に相談しましょう。
ブレーカー自体の故障や劣化が疑われる場合
長年使っているブレーカーは、経年劣化により正常に動作しなくなることがあります。
具体的には、以下のような問題が見られることが多いです。
- 操作レバーがゆるい、またはきちんと固定できない
- 本体や周辺に変色や焦げ跡がある
- 何もしていないのに頻繁に作動する
こうした場合は自分で修理せず、安全のためにも必ず専門業者に点検や交換を依頼してください。
ブレーカーの落とし方を理解して安心な住まいを守る

これまでブレーカーに関する基礎知識や注意点についてご紹介してきましたが、どんな場面でも対応できるようにブレーカーの落とし方を正しく知っておくことはとても大切です。
ひとつひとつのステップを守れば、停電や設備トラブルの際にも慌てずに対処できます。
慣れていないと不安を感じるかもしれませんが、事前に手順を理解し、冷静に行動すれば問題ありません。
安全で快適な生活は、こうしたちょっとした予備知識の積み重ねから生まれます。
今回ご紹介した内容が、皆さんの安心な住まい作りのお役に立てれば幸いです。
日常生活の中で、万が一電気トラブルが発生しても、落ち着いてブレーカーを操作できるようにしておきましょう。